2008年6月22日日曜日

野鳥と遊ぶ:ウッド・ダック


● ウッドダック::雌雄は体の模様が違う。


野鳥と遊ぶ:ウッド・ダック
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 カモが庭をウロウロしています。
 ここでみかけるカモは「ウッド・ダック」という種類のものです。

 これは、あちこちにいます。
 道路沿いにいて、車なんのそのです。
 日本なら「お堀のカルガモ親子のお引越し」で大騒ぎですが、こちらでは「ウッドダックのお散歩」になります。
 親子で一列縦隊、ひょこひょこと我が家の庭を通り抜け、道路を横断して、真向かいの家の庭に消えていきます。
 そのうち、お帰りになります。
 同じように一列縦隊、庭を横切って川へドボン。
 住宅地の道を横断するぐらいなら、ご愛嬌。

 この鳥、ファミリーで幹線道路を横断する。
 カルガモのお引越しと同じ。

 危険性に関して、どういう精神構造になっているのか、トントわからない。
 幹線道路で車が止まる、渋滞発生、運転手は気長に渡り終わるのを待っている。
 まっすぐ渡ればいいのに、ときどき道路を行ったりきたりする、はた迷惑このうえなし。
 切れたドライバーがその脇を走りぬける。

 ビックリした親鳥は飛んで逃げる、残された子ガモは中央グリーンベルトあたりでウロウロ。
 どうなるのだろう。
 でも、子ガモのひき殺された死体を見たことはない。
 ということは、気の長いドライバーに助けられて渡り切ったということになる。

 ここで問題発生。
 手前側と道路の向こう側と、子ガモがばらばらになることがある。
 これはどうなるのだろう。

 よく歩きます。
 親鳥はいいでしょう。
 でも飛べないヒヨコが歩くのですから、これは無防備。
 もちろん、私にだって容易に捕まえられます。
 一度、道路の段差を乗り越えられないヒヨコを捕まえて、歩道に上げたことがあります。

 この鳥の特徴、外敵がきたら、子どもなど捨て置いて、「親はさっさと逃げる」。
 だからこそ、交通頻繁な道路を横断しようなどという冒険にも突っ走しることができるのです。
 合理的にして、普遍的。
 俗称「子捨て鳥」。

 一列縦隊でのお散歩などやめればいいのにと思うのだが。
 最近、猫も犬も多いですから、数羽のヒヨコが数日のうちに半分になり、最後は1羽になってしまうこともある。
 プラバーのヒヨコと同じ。

 とくに隣家には高価にして傲慢なシャムネコがいる。
 私を見ると「ビンボー人、だい嫌い」と逃げる。
 そのうちこのネコ、とっ捕まえて川に投げ込んでやろうかと思っている。
 だが、お金持ちのネコなのでめったに外出しない。

 一羽でも育てばめっけもの。
 こういう鳥は自然の摂理で次から次へと子どもを生む。
 種族保存の法則でしょう。
 「また、猫の餌を生んでいる」と哀れんでいますが、どうにもなりません。

 比較的大柄な鳥だが、人が寄るとすぐに逃げる。
 車でそばによりそーっと窓から撮った写真なので、どうも思ったようにはゆかない。
 見えるところにいるのだが、写真が撮れないというもどかしさ。
 性能のいい望遠なら、いくらでもご自由にといったところ。
 でも、安いコンパクトデジカメでは、むずかしい。
 なんといっても、エサ場によってこないということが致命的。



● 歩道にいるウッドダック:車で近づいて窓から撮る。


 写真でみると、日本の「カモ」となんだかちがうと思いません。
 そう、「クチバシが尖っている」のです。
 日本のカモといっても詳しく知っているわけではないので、大きなことは言えませんが、クチバシはみな「アヒル」タイプで扁平だと思うのですが。


 日本語のWikipediaを見てみます。

 Wikipedia カモ
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 カモ科の鳥類のうち、「雁」に比べて体が小さく、首があまり長くなく、冬羽(繁殖羽)では雄と雌で色彩が異なるものをいう(カルガモのようにほとんど差がないものもある)。
 分類学上のまとまった群ではない。

 日本では主に「カルガモ」、「オシドリ」などが通年生息し、全国の河川や湖などで見られる。
 本邦では多くが冬鳥であるため、冬季には「マガモ」「コガモ」「オナガガモ」「スズガモ」など多種が見られる。

 食用ともされ、「鍋」や「すき焼き」にすると美味なものも多いが、臭みが多く全く食用に供されないものもいる(「鴨肉」と呼ばれるものの、実際には「アイガモ」が多い)。

 「鴨鍋」は現在では「ネギ」とともに煮ることが多いが、江戸期においては「セリ」が鴨の相手として好適とされていた。

 マガモを家禽化したものは「アヒル」と呼ばれる。

 日本語と異なり英語の「ダック:Duck」などヨーロッパの言語では、基礎語彙のレベルでは「野生の鴨」と「家禽のアヒル」を区別しないので、翻訳に際して注意が必要である。


〇 マガモ:[日本語Wikipedia]より


 食用カモの元々は「マガモ:真鴨」。
 肉は質、量ともに最高位という。
 それが飼いならされて「アヒル」になる。
 そのアヒルとマガモの掛け合わせが「アイガモ:合鴨」になる。

 アイガモは人間によって作られた「野生に存在しない雑種」のために、放鳥などは固く禁じられている。
 「合鴨肉」は鴨肉に比べると一般に脂身が多く、赤身は癖がなく柔らかいが味はやや薄い。
 ソバ屋などで鴨肉として出されるものは、合鴨の肉が多いそうだ。

 アヒル(鶩、または家鴨)は、カモ科のマガモから人為的に作り出された家禽(かきん)で、水鳥である。
 野生のマガモを飼いならして家禽化する際、体が大きく重くなり、翼は小さくなって数メートルほどしか「飛ぶことが出来なくなった」(個体や品種にもよる)という。
 用途は愛玩、食用、採卵、羽毛採集である。
 日本では公園などの池に放し飼いにされているほか、ペットとしても飼われている。

 アヒルは1年で150~200個の卵を産む。
 産卵は特に春が盛んである。
 一般的にアヒルは卵を温めないと言われているが、マガモの血が濃いアヒルは卵を温めることが多々あるという。
 アヒル料理はいろいろある。
 よく知られているのは「北京ダック」。
 北京ダックはアヒルだったのである。

〇 アヒル:[日本語Wikipedia]より


 しかし、どれを見ても、クチバシは扁平である。
 あたりまえのこと、マガモから分かれている。

 「なぜウッドダックのクチバシは尖っているのか」

 どこかに情報が載っているだろうと思っており、そのうち発見できるのではないかと楽しみにしています。
 ウエブの面白さはちょっとした素朴な疑問を、自分の手で探すことができるというところにもある。


 と書いてから、いろいろ調べてみました。

 ありました。
 下記のウエブは鳥について知識の豊富な方が書いているようで、これまでいろいろ参考にしています。
 抜粋ですので詳細はウエブで見てください。
 いい写真がたくさん載っています。


★ 尖ったくちばし[Australian wood duck] 井の頭のできごと 2005年10月
http://homepage2.nifty.com/tnt-lab/nat/inok510/inok510.htm

 「ガン」と付けられたのは、おそらく、この尖り気味のくちばしのためではないでしょうか。
 ガンの顔つきに似ている気もします。
 なお、「タテガミ」とは、写真には写っていませんが、頭の後ろからうなじにかけて長めの毛が生えているからです。

 しかしながら、体型的にはカモだと思います。
 ガンなら首が「もっと長く」なくてはいけません。
 それに、「雄と雌で模様が違う」のもカモ的です。
 例外があるかもしれませんが、「ガンは雌雄同色」です。
 さらには、ヒナの模様もカモのヒナに似ています。
 尖ったくちばしは確かにマガモなどの平たいくちばしとは異なりますが、オシドリのそれには似ています。
 以上の点から私はやはり、この鳥は「カモだと思う」のです。

 それに私としては、ガンなら「雁行」をしなくてはいけない、という絶対条件を課したいところです。
 もしこの鳥が飛ぶとき「く」の字型の編隊飛行をするのなら、他の点は無視して、すぐにガンだと認めますが、どうなのでしょうか。
 雁行をするなら群れで行動をしているはずだし、「リーダー」がいそうですが、この鳥が数羽集まっているところを観察しても、そのようには見えませんでした。
 もっとも今は繁殖期なので、いつもとは違う生活をしている可能性はあるかもしれません。
 正式にどう分類されているのかは、日本に戻ってからゆっくり調べたいと思います。

 ところでこの尖ったくちばしは、マガモなどのように食べ物を水と一緒に取り込んで濾しとるのではなく、おもに地上で食べ物をつまみ採る彼らの生活ぶりに合致しています。
 オシドリのくちばしがそれと似ているのも、おそらく同じ理由なのでしょう。


 ウッドダックの日本名は「たてがみ雁(タテガミガン)」。
 名前がカッコイイ。
 カモでなく「ガン」なのです。

ということは「ガン」とは「クチバシが尖ったオスメス同色の長首カモ」ということになる。
 「まるで知らなかった」
 鳥については、スズメかカラスか鳩を見る程度の知識しかなかった。
 それを無謀にも、インターネットを頼りに、庭に来る鳥のチェックをはじめたため、無知の底が見えてしまった。

 「ダック:Duck」と言ってすぐに思い出すのはデイズニーの「ドナルド・ダック」。
 ドナルドは扁平なクチバシをしている。
 そのせいでダックとは「カモ」とばかり先入的に思い込んでいたのが間違いの元であった。
 でもやはり、Wikipediaで「雄と雌で色彩が異なるもの」がカモと云われれば「カモ」と思うのが一般的。


 日本語Wikipediaを見てみる。

 雁(がん、かり)(異字:鴈)とは、カモ目カモ科の水鳥の総称。

 大きさはカモより大きく、ハクチョウより小さい。
 東西で狩猟の対象であったが、日本では急速な減少から保護鳥の対象となった。
 現在は禁猟。
 日本ではマガン、カリガネ、ヒシクイなどが生息し、北海道宮島沼や宮城県伊豆沼などに冬鳥として飛来する。宮城県の県鳥でもある。
 家禽はガチョウ(鵞鳥)と呼ばれる。


〇マガン:[日本語Wikipedia]より


 ということは雁は「カモ目カモ科」ではあるが「カモではない」ということになる。
 ウッド・ダックは「木鴨」ではなく「木雁」になる。

 「カリ」でよく知っているのは浪曲の国定忠治の赤城山の別れの場。
 「カリが北の空に飛んでいか。赤城の山も今夜を限り、可愛い子分のてめえ達とも別れ別れになるかどでだ。加賀の住人小松五郎義兼が鍛えしワザもの、俺には生涯テメエという強い見方があったのだ」
 「親分」
 というあれ。


 ガンのサイトから。

★ 特集:ヒグマ ファウラ01_鳥への想い
http://nature.kitaguni.tv/faura/faura_01/index09.html

 ガンの飛行の魅力に出合ったのはもう20年近くも前のことだ。
 つくば科学万博で見た巨大スクリーンに映し出されたガンの迫力。
 飛行するガンが大アップで画面いっぱいに映し出された。
 ガンが生まれた時から人間に慣れさせ、グライダーを並行して飛行させながら撮影したらしいのだが、静かな空をバサッ、バサッと羽音を立てながら淡々と飛んでいく姿を、真横から上からカメラが捕らえていた。
 まさにガンの息づかいが聞こえてきた。
 その姿は強烈に心に残った。
 こいつはカッコイイ鳥だ、と思った。

 それからしばらくして、宮城県の伊豆沼に行った。
 言わずと知れたマガンの飛来地である。
 地元の人に見るためのポイントなどを教えてもらう。
 何の変哲もない沼だった。
 小さな駅前旅館に宿を取り、夜明けを待つ。
 寒い。
 起きるのにひと苦労する。

 4時ごろから沼の端で待つ。
 ひたすら待つ。
 ガンたちは水面で動かない。
 夜空が白み、あたりが薄明るくなる。
 いったい何羽いるのか、水の上でじっとしているのでなんとも見当がつかない。
 まだ動かない。
 朝日がのぼってくる。

 突然、である。
 バサバサバサ、と音がしたかと思うと、マガンがいっせいに飛び立ち始めた。
 翼の風切り音が最初は小さく、数秒後には「ぐわーん」とあたりに響く。

 目の前が暗くなった。
 空がガンで埋まる。
 バサバサバサバサ。
 羽音と鳴き声が続き、あたりは騒然となる。
 鳴き交わしながらガンたちは次々へと空へ上って見えなくなっていく。

 私はしばし呆然とその姿を眺めていた。
 なんという光景。
 なんという鳥たち。
 その迫力にただただ圧倒されていた。
 大型鳥の力強さ。
 渡り鳥のたくましさ。
 ガンは飛ぶ姿が美しい。
 その姿は人の心に何かを訴えかけてくる。


 サイトの著者の述べている「ガンが生まれた時から人間に慣れさせ、グライダーを並行して飛行させ」るというのは、昔、テレビで見たことがあります。
 記憶はおぼろですが、この鳥、確か生まれたときに最初に聞いた音を発するものを母親だと思い込む性質をもっているそうで、それを利用して、はじめに軽飛行機の音を聞かせ、飛行機を母親と思い込ませて育てる、というものでした。
 そして、飛べるようになると、軽飛行機が空を駆けるとき、母親だと思いこんだ鳥は、爆音にもめげずにその後ろをついていくというものだったように思います。

 そこで、この飛行機と一緒に飛行する雁の群れのビデオがあってもいいはずだと思って探しました。
 残念なことに、今のところ見つかっていません。
 もし、探し当てたら載せたいと思っています。



● はす前の家へ入る7羽のウッドダック。

 先日、友達の家にいったら「カモ鍋」をご馳走してくれました。
 もちろん「セリ」ではなく「ネギ」です。
 近くにカモを飼育しているところがあるそうで、そこで手に入れられるそうす。
 肉はなんだろう。
 ウッドダックかそれともアヒルだろうか。

 ちなみに、ここではアヒルは見たことがない。
 野鳥を飼いならして食用にするという文化は、ほとんど浸透していないためであろうか。
 そういえば、日本食レストランでは「合鴨」の料理のメニューがあり、北京ダックの店もある。
 アヒルはマガモを飼いならしたものだというが、ここにいるのだろうか。
 飼育場があるということになると、アヒルはいそうである。
 出会わないだけかもしれない。

 でも、アイガモは「野生に存在しない雑種」のために放鳥は固く禁じられている、とのことであるから、いないだろう。
 ここは「野生」ということに結構ウルサイ。
 生物種を絶滅させた最も多い国という「罪科」を背負っている。
 だから、動物愛護団体のパワーが強力になってくる。
 もし、いないとなるとその肉は輸入肉ということになるが。

 ダックの首根っこをひねって、羽根をむいて、鍋料理にするか、などと考えないでもないが。
 料理は苦手なので、まずやることはないでしょう。
 でも、ネギしょってきたら、「カモネギ音頭」でどうするかわからない、かな。

 ところで「カリ鍋・ガン鍋」というのはあるのだろうか。
 ここでは「カモ」も「ガン・カリ」も同じ「ダック」だから、あのご馳走になった鍋は「かも鍋」だったのだろうか、それとも「かり鍋・がん鍋」だったのだろうか。


● 車の中からウッドダック


 てなことを書いたら、またまたあったのですね、おもしろものが。
 「雁はおいしいか」というテーマ、なんと「Yahoo 知恵袋」に。


★ ガンっていう鳥は食べられますか?おいしいですか? - Yahoo!知恵袋
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1211292712

 ベストアンサーに選ばれた回答
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 美味しいですよ、でも勿論捕ってはいけません。
 ガンを飼いならしたものが「ガチョウ」です、高級食材ですよね。

 ベストアンサー以外の回答
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1.食うと・ガン・に成るから食べられないのでは。
  食った話は聞いた事が無いから美味くないのでは。

2.「だいぞうじいさんとがん」ってタイトルの物語が小学生の教科書に載っていた気がします。
  確かだいぞうじいさんはがんを捕らえて食べる猟師だったと思います。
  小学生の教科書に偽情報が乗るはずがないので食べれるんじゃないですか。
  味は保障できません。

3.豆腐料理で「がんもどき」って知っていますか?
  参考にしてください。


 あの「がんもどき」は「ガン肉もどき」の味がするのだろうか。


 「美味しいですよ、でも勿論捕ってはいけません。ガンを飼いならしたものがガチョウです、高級食材ですよね。」
 とありますが、捕ってはいけないとすると、この方はガチョウを食べたのでしょうか。
 飼いならしたものですから、ガチョウは食べてもいいのでしょう。



〇 ガチョウ:[日本語Wikipedia]より


 ひじょうに長くなってしまいました。
 長いだけで、内容はないカモしれない、どうでしょう。


● 車の中からウッドダック



【☆☆☆ 追稿:11月以降 ☆☆☆】

 5倍光学望遠のコンパクト・デジカメを購入しました。




● ウッドダック:オス(上)・メス(下)









 ● ウッド・ダックとブラック・ダック


 「Wikipedia」は下記になります。
 日本語モードで「Australian Wood Duck」と入力し、下の記事が検索されたら[このページを訳す]をクリックしてください、日本語訳版になります。Wikipediaの写真はクリックすると「拡大」できます。

★ Australian Wood Duck - Wikipedia, the free encyclopedia [このページを訳す]
http://en.wikipedia.org/wiki/Australian_Wood_Duck




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