2008年6月19日木曜日
野鳥と遊ぶ:ロングビルド・コレーラ
● コカツーを追い出すロングビルド・コレーラ
横の大きな木に1羽いて計6羽でやってきた。
野鳥と遊ぶ:ロングビルド・コレーラ
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見た目、誰でも感じる印象は「凶悪・凶暴」。
やむ得ない、何しろダンプ系二番手の鳥だ。
俗称「ブル」。
● ロングビルド・コレーラ
目の周りが赤い。
正直、気持ちが悪い。
目玉が大きく、クチバシは大きく、そして目のまわりが赤いとなると「気持ちが悪い」と言って差し支えない。
● ちょっと不気味さを感じさせる鳥、ロングビルド・コレーラ
これがガラーほどではないが集団でくることがある。
ガラーの「桃色」は心理的あるいは宗教的威圧感がある。
色心理ではどうだろう、桃色ではなく、紫がかったところにそういう傾向があるのかもしれない。
ロングビルドの方は「目が血ばしっている」という感じで、いわゆる物理的な凶暴性がただよっている。
でもこいうレベルでは、ガラーほどの精神的圧迫感はない。
「カリスマ」というのは、精神性の問題で、パワーの問題ではないようだ。
木刀一本で追い払えるだろうといった程度のもの。
● パワー全開、一見豪快な鳥、ロングビルド・コレーラ
見た目あまり好きになれないが、でもなんとも面白い鳥。
これが慣れてくると、楽しさいっぱいの鳥になるから不思議。
●なんとも面白い鳥、ロングビルド・コレーラ
ところで手持ちの図鑑で調べると、リトル・コレーラは内陸部に生息し、海岸沿岸部はその領域に入っていない。
しかし、前稿の写真のようにやってきている。
もっと分かり難くかったのはこのコレーラ。
この鳥、ビクトリア州とNSW州の一部にのみに生息しており、東海岸にはまったくいないことになっている。
でもときどき姿を見せる。
一、二羽ならはぐれ鳥ということもあるが、あるときは十羽ちかくでやくる。
大きな鳥なので、すぐに形を覚られ、特徴も際立っている。
図鑑で探すと、この地方にはまるで生息していない鳥がそれに該当する。
とすると、ここに来ている鳥はいったいなんだろう。
図鑑に載っていない鳥がいるのだろうかと、長いあいだ疑問を抱えていた。
● 図鑑に載っていないのに?、ロングビルド・コレーラ
インターネットが入り、Wikipediaで検索したら、昨今、東海岸の一部が生息領域になっていることが分かった。
ということは、図鑑は1996年版だが、相当に早いスピードで生息領域が海岸線を北上しているということになる。
コレーラの生息領域は確実に、それも急速に拡がっていることは確かである。
生態系が変わってきているということであろうか。
下記のホームページから、宣伝用の写真を援用させてもらいます。
これに地図が載っています。
『
★ 豪遊記
http://www.goyouki.com/info/doubutu/BushBirds3.html
Long-billed Corella テンジクバタン
テンジクバタンはオウム目オウム科で、オーストラリア原産のバタンインコです。
もちろん言葉を覚える事が出来、長い寿命を持っています。
集団で生活し、木の実や根を掘るために非常に大きなくちばしを持っています。
特徴は、真っ白い身体にカラフルなピンク色の額と胸にラインがあり見分けやすいです。
大きさは40センチ程になります。
』
この地図で見るように生息領域はビクトリア州が主になっています。
下記にWikipediaの地図を載せておきます。
比べると分かりますが、東海岸の一部が赤く塗られ、新たに生息領域になっています。
現在は、この範囲が更に北に広がり、拡大しています。
目下、鋭意北上中、膨張中といったところのようです。
実際、我が家はこの赤領域にまるで入っていません。
●ロングビルド・コレーラの生息域の広がり:[Wikipedia]より
「ひょうきんレベル」では群を抜く鳥である。
こんな鳥みたことがないといった、芸をする。
● じわじわと好きになってくる鳥、ロングビルド・コレーラ
あだ名「スーパーひょうきん鳥」
和名テンジクバタンとは「天竺巴旦」と書きます。
おそらく、中国語訳で天竺巴旦と書き、それをそのまま日本語読みにしたのではないかと思われます。
コッカツーをキバタンといい「黄巴旦」と書きますが、「巴旦」とはインコの中国表記なのかもしれません。
でもそれが何故「天竺」につながるのでしょう、原産はオーストラリアとありますが。
天竺というと、西遊記の孫悟空の活躍を連想して、インドの山奥を想像してしまいます。
何か関係があるのでしょうね。
●人を恐れませんので慣れてくると目の前までやってきます。
リトル・コレーラは若干、人見知りします。
でもロングビルドはさほどに人を恐れません。
慣れてくればコカツーと同じほどに慣れなれしくなるのではないかと思えます。
それだけ面白さが倍増する鳥ともいえます。
● 足を使うロングビルド・コレーラ
野生でのビデオはこちら。
『
★ YouTube - Long-billed Corella pair preening at dawn [37秒]
http://jp.youtube.com/watch?v=LbdVQ0U7XSA&feature=user
★ Longbilled Corella (Cacatua tenuirostris) Video [27秒]
http://vodpod.com/watch/84098-longbilled-corella-cacatua-tenuirostris
★ corella crazy - AOL Video [4分10秒]
http://video.aol.com/video-detail/corella-crazy/2879925898
』
この最後のビデオ、長いですが、いろいろこの鳥の性格を教えてくれます。
コカツーを俗称「ワル」と言いましたが、こいつはそれに輪をかけてすごい。
見た目の印象「凶悪」とまったく同じ。
いわば「スーパーワル」。
コカツーは木の葉をちぎって落として、小さな木なら丸坊主にしてしまうが、なんとなんとこいつは地面を掘り返してしまう。
俗称通り「ブル」だ。
● 上の草の根を食べるために、芝が掘り起こされてしまう
「ロングビルド」とは長いクチバシの意味。
写真で見るとわかりますが、クチバシの先にさらにクチバシが伸びています。
ちょうど、ツメを長く伸ばした感じ。
それが強烈。
まるでスコップ並みのクチバシ。
● 悪食のロングビルド・コレーラ
あまりにクチバシが発達しすぎて、逆にモノを食べれなくなってしまった。
しかたがないので、足を器用につかって口まで食物を運ぶことになった。
と、思ったのだがとんでもないこと。
やたらと器用で、そしてコイツ、とんでもない悪食。
●楽しさいっぱい目一杯の鳥、ロングビルド・コレーラ
● 悪役コンビ:コレーラ兄弟
右遠くに写っているのはガラーです。
悪役のコレーラ兄弟ですが、どちらが強いと思いますか。
名前からいくと、あるいは雰囲気から見てもリトルが弟で、ロングが兄貴といった感じですね。
写真では上がロング、下がリトルです。
とすると、兄貴のロングの方が強い、となります。
でもそれは間違い、正解は「リトルが強い」です。
いつもは仲良くやってきます。
合わせて14羽やってきたことがあります。
でも、戦うとリトルがつよい。
その気になるとエサ台ではリトルはロングを威嚇して追い出します。
● いつものようにコカツーを追い出すロングビルド・コレーラ
なを、リトルとまったく同じでロングビルドの羽根冠の下、つまり頭のてっぺんは赤です。
さらに、首の真下あたりが赤ですが、その上の首の回りは白い羽根で、その下には、赤色の羽根が隠されています。
よって、首周りの羽根をブルンと逆立てたときは、白い羽根の奥に見える赤い羽のコントラストが鮮やかに映える。
その赤い羽根が首下あたりで外にせり出してきて、いまの形になったようです。
もしかしたら「紅白」で縁起のいい鳥なのかもしれない。
●仲良しコンビ、ガラーとロングビルド・コレーラ
ペットのビデオはこちら。
『
★ Ball Throwing Bird
http://au.youtube.com/watch?v=qij9ODmiu0s&feature=related
★ Apollo Attacking!
http://jp.youtube.com/watch?v=xvoFfukquGQ&NR=1
★ Apollo Hopping
http://jp.youtube.com/watch?v=oGuhiJxcK94&feature=related
★ Apollo
http://jp.youtube.com/watch?v=At4JFoxPguE&feature=related
』
「Long Billed Corella」と入力しますと、たくさんの「Youtube」あるいは「Video」を検索することができます。
見ていて飽きない鳥です。
● 弱そうなリトルを狙って反撃に出るロングビルド。
● オー、なんと、弱虫コカツーがブルを追い出した。
南の島に雪が降る、ぞ。
望遠ではありません。
デジカメを持つ手を目一杯伸ばして撮った写真です。
これだと、大半シャッターを切るときブレるのですが、たまたまうまく撮れました。
リトル・コレーラで書きましたが、最近エサ台をめぐっての攻防が激しくなってきています。
「強さ」でいくと、リトル、ロンビルド、コカツーの順になる。
レインボーがコカツーの前に入るが、これは種が違うので除きます。
ところが、写真でみるように、ロングビルドがリトルを追い出し、あの弱虫コカツーがロングビルドを追い出している姿が見られるようになってきています。
「下克上」の世界が発生しているのです。
エサ台という小さなパイを争うとなると、そうなるのかもしれない。
観客にとっては、目の前でこれらが繰り広げるバトルはなんとも言えずに面白い。
エサ台の前の椅子に腰掛けて、のんびりとその一瞬を撮ろうとレンズを向けている。
望遠なしでは、そのくらい近づかないとうまくいかない。
ところがなんとなんと、そこそこ注文通りに、カメラの前でやってくれるから、これがタマラナイ。
さらにネバー・ギブアップ鳥のマグパイがからんでくる。
エサ台の下でうろうろしているマグパイに檄をとばす。
「イケー、マグパイ」
声援に押されたのか、マグパイがエサ台にとりつくから、これまたうれしさ十倍わくわく百倍になる。
● 狭いエサ台に3羽とは
コレーラの名を持つ鳥はあと一つ「Western Corella:ウエスタン・コレーラ」がいます。
これはリトル・コレーラの亜種と分類されており、西海岸のみに生息している。
「Wikipedia」は下記になります。
日本語モードで「Long-billed Corella」と入力し、下の記事が検索されたら[このページを訳す]をクリックしてください、日本語訳版になります。Wikipediaの写真はクリックすると「拡大」できます。
『
★ Long-billed Corella - Wikipedia, the free encyclopedia [このページを訳す]
http://en.wikipedia.org/wiki/Long-billed_Corella
』
【Top Page】
【〇〇〇】
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先般、「little Corella」を「リトル・コレーラ」と書いて公開しました。
翌日、「リトル・コレーラ」で検索したところ、200件ほどのサイトが出てきた。
ところが、その9割方がバレー関係です。
鳥の記事がまるで場違いで、「何でこんなところに入れてくれたのだ」と肩身が狭そうで可哀想でした。
ダンプ系の鳥と美的なバレーでは月とスッポン、デイスカバリーと紙飛行機、まったくもって釣り合いがとれない。
なら、この気になるこの「コレ-ラ」とはいったいいかなるものなのか、興味が猛然と湧いてきました。
こういうとき、実に便利なのがインターネット。
アットいう間にエッセンスを探しだしてくれました。
短い「アンヘル・コレーラ」のビデオです。
見させてもらいました。
バレーのような高尚な世界にまるで縁がありませんが、ウーン、たしかにこれは「すごい」と思いました。
人の「連続的運動美の極致」といった感じ。
多くの人が熱中するはずです。
下記にのせておきます、1分半ほどですのでどうぞ。
『
■ YouTube - Angel Corella - Le Corsaire
http://jp.youtube.com/watch?v=Ktsyc0rf40c
』
知識として Wikipedia も載せておきます。
『
アンヘル・コレーラ (A'ngel Corella, 1975年 - )は、スペイン・マドリード出身のバレエダンサー。
早くからスペイン国内で数々の賞を受賞。
アメリカン・バレエ・シアター(以下ABT)の芸術監督を務めていたナタリア・マカロワに才能を見いだされ、彼女にABTのオーディションを受けるよう勧められた。
1995年4月にソロイストとして入団。早くも翌年にプリンシパルとなった。
2003年、スペイン国民賞受賞。
ゲストとして、ロイヤル・バレエ団、ラ・スカラ・バレエ団、ニューヨーク・シティ・バレエ団、東京バレエ団などの公演に参加。
バレエ・フェスティバルへの参加も数多い。
『アンヘル・コレーラとアメリカン・バレエのスターたち』という自身のグループを率いてスペインをツアーした。
近年は、イギリス女王エリザベス2世やアメリカ大統領の前でも踊った。
古典バレエ作品のほとんどを踊っており、そのテクニック・音楽性・役柄を自ら消化しものにする感性の持ち主である。
』
ロングビルド・コレーラがテーマなのだ、どうもアンヘル・コレーラになってしまった。
興味を持つのはいいことだが、これは少しやりすぎ。
「野鳥とあそぶ」とはまるで関係ない。
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●folder(A201)