2008年5月12日月曜日
野鳥と遊ぶ:ドロンゴ
●ドロンゴ:[Wikipedia]より
野鳥と遊ぶ:ドロンゴ
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ときどき、パンを狙ってやってくる漆黒の鳥がいる。
はじめはカラスだと思った。
でも、目が赤く、カラスより小さいし、雰囲気が違う。
特徴は尻尾で、長く先へいって開いている。
ちょうど中央の凹んだ三味線のバチのような形をしている。
スパングルド・ドロンゴという鳥。
ちょっと聞いたことのない名前である。
「ドロンパ」なら知っている。
「ドロン」と現れ、「パッ」と消える、Q太郎の相方オバケ。
名前の持つイメージでは、鳥という感じはしない。
何か猛獣を連想させる。
「真っ黒」という負のイメージで嫌われており、知られていないのではないかと思う。
この漆黒の艶やかさは、すこぶる見栄えがする。
同じような赤と黒という二色の取り合わせで「レッドバック」という毒グモがいる。
日本でも一時、パニックを起こしたクモ。
「セアカゴケグモ」と名づけられ関西地区に繁殖しているという。
全体が黒で尻の袋の部分に縦あるいは横に赤い線が入っている。
〇 Redback:[Wikipedia]より
このクモ、クモにしては見栄えがする。
すなわち、漆黒が生きているのだ。
それに赤の線がまぶしい。
クモというと気持ち悪いのが普通だが、このクモは限っては実に美的な感覚がする。
なのに何故「背赤ごけ」という憎たらしい名をつけたのか、後ろの「ごけ」がまるでいらない。
「ごけ」は、毛むくじゃらのもしゃもしゃした感じを連想してしまう。
「せあかくろグモ:背赤黒グモ」でいい。
「レッドバック・ビール」という名前のビールが売り出されたことがある。
ラベルにこのクモの写真が貼られていた。
それほどに美的な感じのするクモである。
毒のようなビリッツという刺激があったのかもしれない。
しかし、このビール、飲むチャンスもなく短期間で消えていった。
その前は「スワン・ビール」という穏やかな名前のビールがあった。
これは結構飲ませてもらったが、これも何時の間にか姿を消してしまった。
レッドバックの日本における最近のニュース
『
★ 読売新聞 2008年10月21日
http://osaka.yomiuri.co.jp/animal/genre6/20081021-OYO8T00325.htm
セアカゴケグモを駆除、排水溝ふたから次々見つかる 21日も駆除を実施…三重・名張
三重県名張市希央台3番町の路上で有毒の外来種・セアカゴケグモが見つかった問題で、市は20日、付近一帯で駆除に乗り出した。
歩道脇の排水溝の溝ぶたの裏側から次々と見つかり、メスの成体29匹、卵のう46個を確認、スプレー式殺虫剤などで処分した。
市は「予想以上の多さで、集中的な駆除が必要」と判断、21日も引き続き駆除を行う。
・・・
この日朝から除草作業を行い、午後1時頃から約4時間にわたって市職員6人が駆除を実施した。
希央台3番町の市道東町中川原線南側約250メートルを調査した結果、このうち約60メートルの範囲で集中的に発見。
歩道脇に設置した、U字溝のコンクリート製溝ぶたや金属製グレーチングの裏側にメスの成体や卵のう、巣が張り付いており、市職員がピレスロイド系の殺虫剤を噴霧したり、足で踏みつぶしたりして駆除した。
市によると、セアカゴケグモが見つかったU字溝は深さ、幅とも約40センチ。
ここに縦約40センチ、横約50センチ、厚さ約10センチのコンクリート製の溝ぶたがはめこまれており、十数枚の溝ぶたの裏側から成体数匹ずつと卵のう数個ずつが見つかったという。
この付近のU字溝は水が常時流れていないほか、日当たりがよくて暖かく、繁殖に適していたのではないかと推測。
今月2日に見つかって以降、けが人は出ていないといい、島藤好孝・市環境対策室長は「見つけても絶対触らないように。
今後の対策は、道路、危機管理、環境の担当室で検討していきたい」としている。
』
この鳥、シッポの形状がすこぶるデザイン的である。
尻尾の形状で見栄えがするのは、ワグテールとこの鳥。
でも鳥の習性で長くはとどまってくれない。
ちょっとカメラを動かしただけで逃げる。
なかなか写真に撮るというわけにはいかない。
よって、残念ながら話題やエピソードがない。
『
★ ケアンズの鳥
http://www.chiemomo.com/BIRD/FGCNS/Bird/file_bird/Spangled%20Drongo.html
Spangled Drongo
和名:テリオウチュウ
全長:29-32 cm
オナガテリカラスモドキに似るが、大きく、単独でいることが多い。
先の開いた尾羽が特徴。
光を受けると胸のあたりの羽が青く見える。
開けたところよりも林内にいることが多い。
「シャー、シャー」という金属的な声の他、さまざまな声で鳴き、物真似もする。
花の蜜や果実の他、昆虫を食べることもある。
幼鳥は目が黒い。
』
「オウチユウ」というのを調べてみた。
東南アジアからアフリカにかけて多い鳥のようである。
暖かいところを生息領域にしているようだ。
下記は東南アジアのオウチュウに関するウエブです。
『
★ シンガポール熱帯植物だより+あるふぁ: ドロンゴ
http://tropicalplant.air-nifty.com/top/2006/11/post_e37a.html
シンガポールの森に行ったら、ぜひとも出会いたいのがドロンゴちゃん。
尾の羽が2本長く伸びているのが特徴の小さめのカラスみたいな大きさの鳥です。
森に行くとよくいて、木々の間を優雅な尾をなびかせながら飛んでいるのを見かけるんだけど、暗い森の中のことだし、すぐに動いてしまうので、写真はいつも超ピンぼけ。
先日はじーっと明るい枝の上で留まっていてくれたので、少しはマシな写真を撮ることができました。
森の中の大きめの虫をすばやい動きで取って暮らしているんだそうです。
それにしてもこの大きな尾っぽの羽、邪魔じゃないのかしら?
やっぱり異性を惹きつけるために付いているものなのかしら?
コメント
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この鳥は、日本語名を「カザリオウチュウ」という種ですね。
オウチュウ属は、東南アジアに多く分布する鳥類のグループです。
「オウチュウ」とは、不思議な響きの名ですよね。
漢字で、「烏秋」と書きます。
「鳥の秋」ではありません。
「烏【からす】の秋」です。
元は、どうやら中国語の名称らしいです。
「烏秋」を中国語(北京語)で読むと、「ウーチュウ」という感じの発音になります。
それがなまって、「オウチュウ」という日本語名になったようです。
なぜ「烏秋」なのか、由来はわかりません。
「烏」は、文字どおり、カラスの意味です。
「カラスに似た鳥」ということで、この字が付けられたのでしょう。
「秋」には、「鳥がひらひらと舞う」という意味があります。
木々の間をひらひらと飛ぶオウチュウ属の生態を、表わしたのではないでしょうか。
』
このカザリオウチュウは尻尾が2つに分かれているタイプのもので、三味線バチのテリオウチュウとは形状が少し違う。
といってもわずかの差のように思えるが。
尻尾のデザインで一名を成している鳥ともいえる。
東南アジアの人は、日本にきてカラスにエサをやるそうですが、これはドロンゴを思いだしての行為だ、という話を聞いたことがある。
本当だろうか。
ドロンゴなる鳥を知らない日本人からは「カラスにエサをやるなんて」と相当ヒンシュクをかっているが。
●ドロンゴ:[Wikimedia Commons]より
ビデオはこちらです。
『
★ Spangled Drongo (Dicrurus bracteatus) - 38 sec - Jun 10, 2006 [39秒]
http://video.google.com/videoplay?docid=-4428595204281141236
★ Spangled Drongo (Dicrurus bracteatus) - 26 sec - Jul 21, 2006 [27秒]
http://video.google.com/videoplay?docid=-8393304762861119299
』
なを、よく似た鳥に「White-Winged Chough」と「Metallic Starling」がいる。
● White-Winged Chough:[Wikipedia]より
● Metallic Starling:[Wikipedia]より
White-Winged Choughは大きさはカラスと同じで、写真からですが「赤目ガラス」であり雰囲気はカラスのように思える。
Metallic Starlingはドロンゴより小さめである。
尻尾の形状が違うし、眼の大きさが異なる。
また、もし図鑑の内容が正しいなら、ここはその生息領域には入っていない。
生息域の拡大は通常、寒いところから暖かいところへ広がっていくが、それが逆になってしまうことを考えるとMetallic Starlingではないと思われる。
「Wikipedia」は下記になります。
日本語モードで「Spangled Drongo」と入力し、下の記事が検索されたら[このページを訳す]をクリックしてください、日本語訳版になります。Wikipediaの写真はクリックすると「拡大」できます。
『
★ Spangled Drongo - Wikipedia, the free encyclopedia [このページを訳す]
http://en.wikipedia.org/wiki/Spangled_Drongo
』
【Top Page】
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