2008年3月28日金曜日

野鳥と遊ぶ:クッカバラ


 ●写真は我が家に来ていたクッカバラ。
 「芸人クッカ」と呼んでいましたが、車にぶち当たって死にました。
 <クリックすると大きくなります:写真コピー>


野鳥と遊ぶ:クッカバラ
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 インターネットを検索していたら、悲劇的事件にぶつかりました。

★ 25today.com   2008年1月5日
http://www.25today.com/news/2008/01/post_1797.php

 悲惨な珍事件、クッカバラがライダーに激突:同乗の女性が投げ出され重傷

 1月4日午後8時頃、VIC州メルボルン市モントローズのスワンジー・ロードとムーア・アベニュー交差点付近で、オートバイに乗っていた30代のライダーのヘルメットにクッカバラが激突、視界を妨げられたライダーが操縦を誤って立木に激突した。
 その衝撃でオートバイの後部座席に乗っていた20代の女性が路上に投げ出され、重傷を負った。
 現場に駆けつけた首都救急隊(MAS)隊員も、一時は重体の女性は助からないものと思ったが、女性はヘリコプターでロイヤル・メルボルン病院に急送された後、重傷ながら容態が安定に向かっているとの発表があった。
 バイクを操縦していた男性もクッカバラとの激突で眼を負傷、立木への激突で背中を負傷し、アルフレッド病院に運び込まれたが、容態は安定している。

 事故後のクッカバラについては報道されていない。


 周囲が田園風で、ときどき聞こえる車の響きが「文明の息吹」に感じられた時代がありました。

 テラスで椅子に腰をおろし、あちらこちらの風景を観察しながら、ふっと振り返ると突然、テーブルの上にグロテスクな映像が出現していることがあります。
 「クッカバラ」です。
 テーブルの上ですから、ものの30センチと離れていません。

 そいつが目の前に止まっているのです。

 この鳥、横から見ると可愛い。
 写真をどうぞ。
 だが真正面からみると、吹き出すほどにブサイクなのです。
 それは横からみると丸い目だが、これを正面からみると縦長の細い線になってしまうからです。
 それがクチバシを挟んで左右にあるだけ。
 鉛筆でスーと線を引いただけのものになる。
 デザインの悪いことおびただしい。

 そいつが目の前にいる。
 「ウー」、と何ともいえない。
 静かに滞空するがごとくやってきます。
 まったく羽音がありません。
 視線でとらえていないと何時きたのかまるでわかりません。
 どの鳥でも着地するときは、「カサカサ」といったわずかですが音がします。
 ところがこの鳥まったく音を立てません。
 飛んできた惰性で、2,3歩あるくのが普通。
 それが音になる。
 この鳥、空中でスッと止まり、スーと真下に降りる。
 気配すら感じさせません。
 そのため、振り返ったとき「目の前に突然」出現する。
 これは驚き。

 分かっているがこいつが来るときは怖い。

 マジ、まっすぐあのバカデカいクチバシを我が顔に向けて、突っ込んでくるのです。
 目をそらしたくなりますがそれはそれで長年のお付き合い。
 そんな失礼なことはできません。
 スーときて、フワッと見事に「眼前」に降りる。
 「無音の芸」です。
 でかいクチバシで突っつかれるのではないかなという、信頼性を失わせるような不安からくる動揺をつくろって、おもむろに乾いた喉からカスリ声で
 「オー、きたか」
と声をかけてやります。

 デザインが悪いので、あまり正面からは見たくないのですが、
 「おいブサイク、チョット横向け」
とは言いかねて、そこそこ世間話に花をさかせます。

 そしてとってつけたように
 「おおそうかそうか、腹がすいていたのか、ごめんごめん」
などと言って、冷蔵庫から肉をもってきます。

 肉は少々大きめに切ってあります。
 そして冷凍庫でカチンカチンに凍らせてあります。

 これからゲーム開始です。
 こやつ、テーブルの上でちょっと体を沈め、クチバシを半開きにして、いつでもこい、といった構えをとります。
 こちらは大上段(いえ、小上段)からのオーバースローで、このクチバシをミットにみたてて、速球を投げ込みます。
 距離は2メートル弱。
 「ビッシ」みごとなストライク。
 カチンカチンの肉がクチバシに食い込みます。

 さあどうする。
 しばらくフガフガやってようやく外れます。
 木に移り、枝に石のようになっている肉を、コツンコツンと叩きつけます。
 ちょっと柔らかくなったあたりで飲み込もうとします。でもダメ。
 ノドを通過できるほどには小さくなっていない。
 またコツンコツンと枝にたたき続けます。

 食べ終わったあと、クビを左右に2,3度振ります。
 このとき「カクン、カクン」といった関節が当たるような音がします。
 想像ですが、この鳥、アゴの関節を自由に操作できるのではないでしょうか。
 それが故に大きなエサも飲み込めるのだと思います。
 そして、「大いに満足」とクチバシを木にごしごしと擦りつけて掃除をします。

 「優雅なのか、バカなのか」さっぱり分からない。

 枝に止まってじっと動かないときがある。
 鳥というのは、飛べるという性格上なのか、一箇所にとどまることはあまりしない。
 ところがクッカバラは5分でも10分でも同じ姿勢で止まっている。

 キングフィッシャーもその性格を持っているので、この種の性向かもしれない。
 ただ、キングフィッシャーは警戒心が強く、十分な距離がありながらも人が近づくと、必ず逃げるという性質を持っているため、たやすく観察できるという鳥ではない。

 クッカバラはおのが「鳥人生」に思索をめぐらしているわけでもないだろうに、同じ風景を見続けてもアキないのだろうか。
 しばらくおいて覗いてみると、エーまだいる、ということはしばしばある。

 この枝に止まったクッカバラに肉を投げやる。
 肉は木の下に転がっていくが、それをジッと見ている。
 決してすぐには降りて食べない。
 そのうち目をそらしてしまう。

 「フン、オレは乞食じゃない。投げ与えられたものなど喰えるか」
 でもそのうち、「ウーン、やっぱり腹すいた」と降りてきます。
 なら最初からスーときて食べろ、といいたくなります。

 「武士は食わぬが高楊枝」も結構だが、時に大きなミスをすることがあります。
 それを見ていた動きのすばやいカラスが、遠くからヒョーやってきてパッツと掴んで逃げていきます。
 「それ見ろ、アホーが」

 俗称「ドン感」。

 いつぞや、家の中で野ネズミを捕まえたことがあります。
 野ネズミですので、小さくちょうど二十日ネズミほどの大きさしかありません。
 ドアの下にタオルを詰めて出られないようにして、軍手をはめて追い回して捕まえました。
 なかなか愛嬌があって可愛いのですがそうも言っていられません。
 殺しました。
 翌日、クッカバラがきたとき、これを投げてやりました。
 このときはまったく躊躇なく、一気に飲み込んでしまいました。
 「オー、すごい」


● もう少し写真を撮っておけばとよかったのにと思っています


 最近はこの辺も開発が進み、クッカバラは木の上で鳴くだけで、なかなか人前には顔を見せなくなりました。
 でもちゃんといます。

 「電線に、クッカが四羽ならんでる、クッツカッカー」


 「面白い鳥」クッカバラ、ビデオをあげておきます。
 横にリストがありますから、いろいろ選んで楽しんでください。


★ Laughing Kookaburra
http://video.google.com/videoplay?docid=-5166762523290061752&q=&hl=en

★ Kookaburra
http://jp.youtube.com/watch?v=_sZxY0jb-1s&NR=1



 なを、クッカバラで検索すると同名の観葉植物が出てきます。
 「クッカバラ」とするか「クカバラ」とするかは、書き手の判断のようです。


 「Wikipedia」は下記になります。
 日本語モードで「
Laughing Kookaburra」と入力し検索すると下記の記事が出てきます。 [ このページを訳す]をクリックすると日本語訳版になります。Wikipediaの写真はクリックすると拡大できます。

★ Laughing Kookaburra - Wikipedia, the free encyclopedia- [ このページを訳す ]
http://
en.wikipedia.org/wiki/Laughing_Kookaburra






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